この度、日本医療マネジメント学会 第24回長崎支部学術集会を佐世保中央病院で開催させていただくこととなりました。
　⽇本国内では、⾼齢化による医療・介護需要の拡⼤が続く⼀⽅で、少⼦化による労働⼈⼝減少等も重なり、 地域によっては現⾏⽔準の医療・介護サービス体制の維持が難しい局面になりつつあります。 特に当県のような地⽅においては上述の社会課題が早く進んでおり、病院・施設ごとによる対応がより⼀層困難になっていくことが想定されます。

　このような状況下において医療・介護事業者がサービス体制を維持していくためには、地域内における医療・介護人材の確保が重要でありますが、残念ながらごく一部の医療機関を除けば、減少の一途をたどる貴重な人材が県外、特に都市部へ流出し、スタッフ不足のため医療制限を行わなければならない施設も出てきている状況です。

　一方、医療・介護の現場では報酬改定の影響もあり、経営維持のため、より一層の効率化が求められており、ややもするとその事が働く喜びやモチベーションを低下させる一因となっているとの声も聞かれます。私たちは効率化優先のため、スタッフの働きがいや達成感の獲得に向けた対策をこれまで考えることが少なかったかもしれない、そうであれば、これを機に、医療・介護者にとってのモチベーションの源泉ともいえる「働きがいと達成感」について考えるのもよいかと考え、今回のテーマは「医療・介護人材の確保と定着　～働き方改革＆働きがい改革～」といたしました。

　働き方改革によって労働時間に対しては一定の制限がかかりましたが、それは「働きがい」を充足させるものとは少し異なる価値観のようにも考えられます。働きがいや達成感をどのように獲得していけば良いか。スタッフが働きがいや達成感を実感できる医療機関になるためには、どのような取組みが有効か。などについて有意義な討論の場となるようにしたいと考えております。
一人でも多くの医療従事者の方々にご参加いただき、明日からの診療業務、職場のモチベーションアップにお役立ていただけることを願っております。

第24回日本医療マネジメント学会
長崎支部学術集会
会　長　 小田　英俊
佐世保中央病院　副院長