最近の日本、何かおかしくないですか?(その15)

英国保守党のキャメロン首相が苦境に立たされているとのニュースを見ました。日本の消費税に当たる間接税の税率を17.5%から20.0%に引き上げたこと、大学の授業料の減免比率を引き下げたことにより、市民生活に影響が及び大規模なデモが頻発していることを伝えていました。
 英国では労働党政権がずっと続き、前の保守党の首相は以前このブログでもご紹介した「鉄の女」マーガレット・サッチャーです。首相として11年間在任中、徹底した意思と実行力で1980年前後の「英国病」と言われた国家窮乏の危機を乗り越えた名宰相として評価されています。1982年軍事独裁政権下にあったアルゼンチンの侵攻に対して敢然と立ち向かい、地球の裏側にある英国領へ軍を派遣し、勝利し、国の誇りを回復します。サッチャーは教育改革や労働争議とも熱心に取り組みます。ただ、社会保障、特に医療費の抑制に関しては「やりすぎ」と評されるほど国営医療を推し進め、国民には不評で、一時期イギリスの医師の国外脱出が続出し、英国医療は危機を迎えました。その後の労働党政権下で医療費、社会保障費の増額が図られて参りました。
 しかし、その揺り戻しの結果、国は再び大きな財政赤字を抱え、財政再建のため再び保守党のキャメロン首相の手腕が試されています。英国も高齢化が進み、社会保障のあり方を間違うと国家の衰退を招く恐れが高いからです。サッチャーを意識したかのような強い意志を表明する演説に、わが国にもこのような強い政治家が現れてほしいものだと感じました。
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