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  4. 平成28年新年のごあいさつ

 

 皆様、明けましておめでとうございます。健やかに新年をお迎えになったことと思います。

 団塊の世代が75歳以上となる2025年度に向けて、地域医療構想がスタートいたしました。二次医療圏である佐世保市全体で、過剰な急性期病床を減らし、不足する回復期の病床を増やそうというものです。そのために、それぞれの病院の立ち位置を今一度見つめ直し、地域のニーズに合わせて自主的に判断を促す誘導がされています。

 旧海軍の鎮守府があった横須賀・呉などの軍港では、系列の異なる中規模の公的病院がひしめき合う急性期病床過剰都市で、佐世保市もその例外ではありません。その中で急性期病院として堂々と生き抜くため、私は理事長就任以来16年間、一貫して多職種協働の現場運営を是として参りました。当時は、雑務に追われ孤軍奮闘する医師の姿があちらこちらで見られたからです。そこで、法人内認定看護師制度を導入いたしました。それぞれの現場で患者さんへの助言や指導を行い、患者さんが直面している病気を理解し、克服するための大きな助けとなっていただきました。また、膨大な量の書類書きや診療補助のための医療秘書さんの活躍は、医師の診療環境を大いに改善してくれました。そして今、病棟には管理栄養士が配属され、栄養処方の提案や栄養学的評価をしてくれる時代になりました。各種セラピストは超急性期のベッドサイドにおいて求められるリハビリを提供してくれています。そして、いよいよ薬剤師さんの病棟配置も始まります。

 地域医療を支援する病院として、病院の立ち位置を職員ひとり一人が見つめ直す時、急性期病床減らしのセレクションに打ち勝つ我々のチームワークを誇りに思うとともに、より高い患者さんの満足を得るために、まだどこが足りないのかのセレクションを楽しみながら活動する充実した一年となることを祈念いたしております。

 回復期リハビリテーション病棟は、入院時の患者さんの高い重症度や退院時の回復度、在宅復帰率が求められています。222床という日本でも有数の4つの回復期リハビリテーション病棟を運営するためには、多職種・多施設の連携すなわちチームワークの良さが不可欠です。現在、医師・看護師による当院転院前の病棟カンファランス、当院入院時の病棟振り分け、セラピストによる退院前自宅訪問、MSWによる退院先サポートなど、多くの職種による懸命な連携強化が図られています。しかし、地域包括ケア病棟は一日2単位のリハビリを含むため、回復期リハビリテーション病棟のライバルになりつつあります。従って、回復期リハビリテーション病棟はより重度の患者さん、複雑で高度なリハビリテーションが求められる患者さんを受け入れることが要求されて参ります。

 燿光リハビリテーション病院は、佐世保二次医療圏で圧倒的な数の優秀なセラピストを擁し、重症度の高い患者さんを受け入れ、リハビリテーションの改善度に関しては、全国平均をはるかに上回る改善度と効率性を誇っています。近年、嚥下訓練の成果は目覚ましく、経鼻栄養から離脱できた喜びの顔が多く見られるようになりました。「燿光リハビリテーション病院に大変お世話になった」「親身になってくれる素晴らしい病院だった」、そんな多くの声を私もいただいております。医療・介護の療養病棟は多くの重症の患者さんを受け入れる病棟ですが、医療療養病棟は国の方針に則り、在宅復帰率も5割を超え、“寝かせきり”の病院とは異なる病床回転率を示しています。地域医療構想の中で病院の立ち位置を論ずる時、もはや燿光リハビリテーテョン病院はこの地域になくてはならない機能を持った病院であることを再認識致しましょう。そのうえで、病院の将来を考えるグランドデザイン会議に臨みたいと考えます。

 皆様にとっても、われわれ白十字会グループにとっても素晴らしい一年となるよう手を取り合って参りましょう。今年もよろしくお願い致します。

平成二十八年 理事長 富永雅也