都市部には、もはや開業する適地は見当たりません。無理に開業しても、過当競争の中で採算ベースに合う集患能力があるかどうか不安で開業を見合わせている先生を多くみます。
自分の得意な分野での開業のはずなのに、ライバルの数が多すぎる、今のペースで開業が増えれば共倒れする可能性もある、専門領域に特化したいが果たしてどれくらい来てくれるかわからない、専門領域にしても10年20年というスパンでスキルアップするにはどうしたらいいのか、といった不安からのことと思います。
しかし、最近、訪問診療が高い報酬で評価されるようになり、午後の時間を訪問診療に当てることによって当初の集患能力の不足を補い、開業に踏み切る先生も少なくありません。
訪問診療はこれから本格化する少子高齢化に向けて我が国の医療が大きく舵を切るべき方向であろうと思われます。政府は(長期)入院医療から在宅医療重視へのインセンティブを示すため訪問診療の報酬を引き上げ、在宅での看取りに1万点など魅力的な点数設定を行って参りました。そればかりか、元厚生労働省事務次官の辻哲夫現東京大学高齢社会総合研究機構教授は地域で支えるケアの構築のために、在宅療養支援診療所をその中心に位置づけておられます。辻氏は在宅医療テキストの巻頭言の中で次のように述べておられます。
「これまで医療は、人の若死を念頭に置いて死との戦いという言葉で例えられるような面の強い営みをしてきましたが、大部分の人が老いて弱くなって亡くなるという時代においては、その過程を心豊かに生ききることができるように支えるという視点に立って、医療が変革していくことが求められていると思います。これまでは病院を中心として発展してきた臓器別を中心とする専門医療、いわば病院治療に加えて、生老病死という自然の営みの中で、弱ってもできる限りその人らしく生きることを生活の場で支える医療として、在宅医療という新しいジャンルが求められているのです。(中略)今までの病院医療とこれからの在宅医療が調和しながら、車の両輪のように今後の日本の高齢化をより良いかたちで支えることを願います。(一部抜粋)」
辻教授が述べておられるように現在では死亡者の3分の2が後期高齢者であり、20年後には4分の3となります。大部分の人が老いて、いくつもの病気をかかえ、寿命が尽きて亡くなる時代に、人の死をあたかも医学の敗北のようにとらえ、何が何でも生命の維持を第一義とするような濃厚治療ばかりが、患者さんご本人が望む最期に沿うものか考えるべきではないでしょうか。
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不明な点はお気軽にご相談ください。
匿名でのお問い合わせも歓迎致します。 -
訪問診療に興味がある方は、訪問診療の現場を
視察し、検討することもできます。
- 現在機能している在宅療養支援診療所での実情は
- 北関東の診療所ではネットワークを構築し、5人のドクターでチームを組んでいる
定期以外の時間外往診は3~4回/月 程度と少ない
患者様との信頼関係があり、家族が体温・脈測定し報告する(応急処置も指示可能、翌朝の看取りも)
訪問看護ステーション、優秀なケアマネの価値は大きく、連携により負担は分散される
見ず知らずの患者様がくる病院当直医と比べ気分的に楽である
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回復期リハビリテーション病棟(燿光リハビリテーション病院)で勤務し、安定した収入を得ながら訪問診療に必要な知識と経験を積むことができます。
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在宅復帰を目標とする回復期病棟では、医療だけでなく介護保険の申請やケアマネージャーとの連携等の在宅療養を支える制度や社会資源の使い方を学ぶことができます。
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白十字会は、2つの急性期病院をはじめ、リハビリテーション病院、老健・特養等の介護保険施設、訪問看護ステーションを抱える法人です。各施設には、その分野でのスペシャリストが在籍しており、養成プログラムの中でその知識とノウハウを吸収することができます。
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ご希望の先生には、訪問診療のパイオニアである在宅療養支援診療所に3ヶ月間国内留学していただきます。在宅医療支援診療所の第一人者から手とり足とりの丁寧な指導を受けることができます。
- ■勇美記念財団による「在宅医療テキスト」を用い、
講師による解説と抄読を主体とする週1回程度の定期的な座学 - ■褥瘡やPEGの交換回診への参加、栄養処方の実施などの実習
- ■在宅医療に必要な多職種協働を学ぶ
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在宅高齢者の肺炎の発生機序、診断と予防
抗菌剤の使い方-高齢者感染症の特徴
摂食嚥下障害の診断、検査と治療
低栄養の評価と栄養処方
排尿障害の分類、診断と治療 -
テキストだけでは学べない知識
在宅酸素療法の申込先
在宅介護サービスの手続き
訪問歯科・リハの申請ショートステイの相談
訪問看護ステーションとの協働
在宅ホスピスケアとの多職種協働
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訪問診療に興味がある方は、訪問診療の現場を
視察し、検討することもできます。
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佐世保中央病院・白十字病院(福岡)の電子カルテに保管している
患者情報を、かかりつけ医と共有するシステムです。 -
退院時カンファランスへ参加して頂き、円滑な在宅復帰を実現します。
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良好な関係を保持し、必要に応じた知識補填を行います。
- Q1 私は耳鼻科ですが対象となりますか?
- A1 何科でも構いません。内科系・外科系でチームを組んだ方が在宅スキルはアップします。
- Q2 在籍期間などは決められていますか?
- A2 期間は1年間となっておりますが、先生のご希望により在籍期間を長く(2年間等)にし、じっくり学ばれても結構です。
- Q3 受入は全国の医師が対象ですか?
- A3 全国の医師が対象です。ただ、開業後のサポートは福岡・佐世保近辺でないと難しいと思われます。
- Q4 開業医は対象外ですか?
- A4 勤務医を対象としたプログラムです。
- Q5 訪問看護ステーションとの連携は?
- A5 法人内で15年の実績があり、多職種協働を学んで頂けると思います。
クリニック継承時(平成13年)
外来患者様は一日平均30人位、在宅2~3名(不定期・依頼時のみ)。
現在、白十字会と連携しており、往診を含めて経営も安定。
「開業医として、外来をメインでするのは大事だが、できるだけ自分のやれる幅を広げる事が大事であり、その中で「在宅医療」をやっていくのは有用。」と、話されております。詳しくは動画をご覧ください。
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