病院全体に関連する指標
医療の質の指標(クリニカルインディケーター)とは、病院の様々な機能を適切な指標(インディケーター)を用いて表したものです。これを分析し、その改善を促すことにより医療サービスの質の向上を図ります。
死亡退院患者率と剖検率
死亡退院患者率
死亡退院患者率(2019年度~2023年度)
日本には"死亡退院された患者さんの割合"というような、医療の内容を客観的に把握できるデータを病院単位で収集するシステムや機構が存在しません。そのため、わが国全病院の"死亡退院率"を知ることはできません。
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 年間 | |
2023年度 | 4.3% | 4.0% | 3.4% | 3.6% | 3.8% |
2022年度 | 3.1% | 3.7% | 3.4% | 4.3% | 3.6% |
2021年度 | 3.5% | 2.0% | 3.0% | 3.3% | 3.0% |
2020年度 | 3.6% | 2.3% | 2.9% | 4.7% | 3.3% |
2019年度 | 3.3% | 2.7% | 3.1% | 4.1% | 3.3% |
剖検率
剖検率(2019年度~2023年度)
剖検率とは、入院中に死亡された患者数に対して病理解剖(剖検)された患者数の割合を言います。主な目的は死因や病気の成り立ち、病態を解明することにあり、担当医がご遺族に剖検の目的を説明し、承諾が得られると、病理医が剖検を行います。剖検率は全国的に年々減少しています。その理由として、画像診断などの検査の進歩により病状が正確にわかるようになったことが考えられます。しかし、剖検によって新たな事実が発見されることも少なくありません。剖検結果はその後の診療に役立つため、剖検率は医療の質を反映しているといえます。医師の卒後臨床研修制度においては、2年間の研修で剖検症例を経験し、臨床病理検討会(clinico-pathological conference;CPC)でプレゼンテーションを行うことが義務付けられています。
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 年間 | |
2023年度 | 1.6% | 5.0% | 0.0% | 3.9% | 2.6% |
2022年度 | 2.3% | 0.0% | 0.0% | 1.6% | 1.0% |
2021年度 | 7.3% | 2.2% | 2.0% | 2.0% | 3.8% |
2020年度 | 0.0% | 0.0% | 4.0% | 3.3% | 2.0% |
2019年度 | 5.4% | 2.1% | 5.4% | 1.5% | 3.5% |
入院中の新規褥瘡発生率
入院中の新規褥瘡発生率(2018年度~2022年度)
身体に加わった外力により、骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させるような状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となります。(日本褥瘡学会、2009)
身体に加わった外力…圧力、剪断力(ねじれて引き裂かれる力)、摩擦力
皮膚表層…表皮、真皮
軟部組織…筋肉、血管、神経
皮膚表面から外力が加わることにより軟部組織に存在する血管が閉塞し、血流が途絶え局所への酸素や栄養素の供給が乏しくなります。
そのため組織は死に至り褥瘡(床ずれ)と呼ばれる状態を形成します。阻血障害が生じやすい部位として骨が突出している部分であり、寝たきりの方の仙骨部(お尻の出っ張った骨)に最も多く発生します。
褥瘡有病率
褥瘡有病率(%)は
(調査日に褥瘡を保有する患者数 / 調査日の施設入院患者数)× 100で求められます。
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | |
2022年度 | 3.98 | 2.71 | 1.97 | 0.79 | 2.41 | 1.32 | 1.89 | 2.14 | 3.47 | 4.13 | 3.18 | 3.00 |
2021年度 | 6.22 | 2.28 | 1.83 | 4.55 | 2.11 | 3.54 | 2.17 | 1.42 | 2.87 | 4.02 | 2.49 | 3.06 |
2020年度 | 1.96 | 1.83 | 3.25 | 2.93 | 1.72 | 2.40 | 3.27 | 2.92 | 3.13 | 2.24 | 2.72 | 3.24 |
2019年度 | 2.48 | 2.60 | 1.53 | 1.02 | 3.33 | 2.64 | 0.76 | 1.59 | 3.21 | 2.17 | 2.53 | 2.75 |
2018年度 | 4.28 | 3.47 | 1.27 | 2.28 | 1.18 | 1.63 | 1.15 | 2.76 | 4.29 | 1.15 | 2.53 | 2.27 |
褥瘡推定発生率
褥瘡推定発生率(%)は
((調査日に褥瘡を保有する患者数 - 入院時すでに褥瘡保有が記録された患者数)/ 調査日の施設入院患者数)× 100で求められます。
4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 | 1 月 | 2 月 | 3 月 | |
2022年度 | 2.21 | 0.39 | 0.79 | 0.00 | 1.81 | 1.32 | 0.47 | 0.43 | 1.73 | 1.39 | 0.91 | 1.00 |
2021年度 | 4.78 | 1.37 | 0.46 | 2.27 | 0.84 | 0.88 | 0.87 | 0.71 | 1.44 | 1.79 | 0.83 | 1.75 |
2020年度 | 0.49 | 0.46 | 1.63 | 0.84 | 0.43 | 0.00 | 0.93 | 1.46 | 2.08 | 0.45 | 1.36 | 2.78 |
2019年度 | 0.50 | 2.23 | 0.38 | 0.68 | 1.25 | 1.51 | 0.00 | 0.79 | 1.07 | 1.08 | 1.27 | 1.38 |
2018年度 | 1.56 | 1.93 | 0.42 | 0.38 | 0.78 | 0.81 | 0.77 | 0.79 | 1.84 | 0.77 | 0.36 | 0.38 |