維持血液透析患者の貧血コントロール

維持血液透析患者の貧血コントロール(Hb≧11g/dlの割合)(2018年度~2022年度)
貧血コントロールは血液透析を受ける患者さんのQOLを高めます。
造血ホルモンであるエリスロポリエチンは腎臓で産生されるため、腎機の機能が低下すると貧血になります。欧米のガイドラインでは、透析患者さんにエリスロポリエチン製剤を使用して、血液中のヘモグロビン(Hb)を11g/dl以上に維持することが推奨されています。これに対して、日本透析医学会の2004年ガイドラインでは、Hbを10g/dl以上に維持することが治療目標とされています。

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期年間
2022年度55.9%48.9%42.8%37.1%46.3%
2021年度39.6%50.2%40.6%43.6%43.5%
2020年度46.1%51.4%37.4%45.4%45.0%
2019年度55.2%60.4%64.2%54.2%58.6%
2018年度51.3%43.6%45.8%44.6%46.3%

維持血液透析患者のうちCa・P積が55未満の割合

維持血液透析患者のうちCa・P積が55未満の割合(2018年度~2022年度)
血液透析を受けている患者さんでは、"CaP積<55未満"が目標です。透析をしている患者さんの死亡原因の40%以上が心血管系疾患(CVD)です。死亡リスクは一般人の10~20倍にもなります。CVDの発症リスクは血清CaとPの上昇に伴って増加するためCa・Pの管理は大変重要です。

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期年間
2022年度85.6%86.3%90.9%90.3%88.3%
2021年度89.6%85.9%90.1%84.4%87.5%
2020年度90.4%89.8%91.2%81.9%88.3%
2019年度89.6%89.4%89.5%92.5%90.2%
2018年度80.4%84.2%81.8%85.7%83.0%

維持血液透析の透析効率

維持血液透析の透析効率(Kt/V≧1.2の割合)(2018年度~2022年度)

血液透析透析効率を示す指標

透析療法の最大の目的は、機能を喪失した腎臓に代わって体内に蓄積したさまざまな尿毒素を除去し、体内の環境を維持することです。尿毒素物質を適正に除去しているかどうかを示す指標として使われるのが標準化透析量(Kt/V)であり、通常は尿素窒素(BUN)の除去量で評価します。数値が大きいほど透析によって浄化される体液量が多いことを示します。Kt/Vの値と生存率には一定の関係が認められています。週3回の血液透析患者では1回当たりのKt/Vを1.2以上、腹膜透析患者では週当たりのKt/Vを1.7以上に維持するよう勧告されています。

第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期年間
2022年度87.7%90.5%89.3%82.8%87.6%
2021年度92.5%92.2%89.6%87.2%90.4%
2020年度94.3%92.1%92.5%84.1%90.8%
2019年度93.5%95.9%87.5%90.8%91.9%
2018年度90.8%94.4%89.8%89.2%91.1%