宗教的輸血拒否に関する診療指針の基本方針

当院では、宗教上の理由による輸血拒否に対し「相対的無輸血(※1)」の方針に基づき、
以下のごとく対応いたします。

  1. 当院では、宗教上の理由で輸血を拒否される患者さんに、可能な限り無輸血治療の努力を行いますが、生命維持のために輸血が必要と医師が判断した場合には、「相対的無輸血」の方針のもと輸血を実施いたします。
  2. 信者の方が提示される「免責証書」等、「絶対的無輸血(※2)」に同意する文書には、署名はいたしません。その際における患者さんおよび家族の方との話し合いや診療状況の記録は、全て診療録に記載いたします。
  3. 以上の方針は、成分輸血療法に限らず生物由来製剤の使用、回収式自己血輸血療法等においても患者さんの判断能力の有無、年齢に関わらず適用いたします。なお、15歳未満の子供さんに関しては児童相談所に通告いたします。
  4. 緊急の場合は手術同意書や輸血同意書が得られない場合でも、救命のための手術や輸血を実施いたします。
  5. 当院の方針を十分に説明し理解を得る努力をいたしますが、上記の方針に対しどうしても同意が得られない場合は、他医療機関での治療をお勧めいたします。

(※1)相対的無輸血
ご本人の意思を尊重して可能な限り無輸血治療に努力するが、輸血以外に救命手段が無い事態にいたった時には、輸血を行う立場・考え方。
(※2)絶対的無輸血
ご本人の意思を尊重し、たとえいかなる事態になっても輸血をしないという立場・考え方。

佐世保中央病院 病院長