令和2年度

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ですが、日本で患者数の多い5つの癌(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)を病
期毎に集計したものです。2019年4月1日~2020年3月31日の退院患者を対象とし、患者数には延患者数を掲載しています。
なお、Stage「0」は集計の対象外となっています。癌のStageとは、癌がどれくらい進行しているかという進行度合いのことです。癌のStageには、「0~Ⅳ」まであり「Ⅳ」が最も進行している(悪い)状態となります。Stage判定には次の3つの基準を基に分類されます。
【T】癌の大きさ(広がり)
【N】リンパ節への転移の有無
【M】他の臓器への転移の有無
Stage「不明」とは、上記3つの内いずれかが判断つかずに分類ができなかったものです。

当院では、胃癌・大腸癌共に早期の癌に対して、内視鏡治療であるESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)やEMR(内視鏡的粘膜
切除術)を行っております。近年の内視鏡による診断・治療技術の飛躍的な進歩により胃癌や大腸癌は早期癌の段階で発見し治療を行うことでほぼ100%完治できるようになってきています。内視鏡での切除が出来ないものに関しては外科的切除を行い、癌の進行状態及び患者さんの状態を診て腹腔鏡下または開腹下に手術を行っております。さらに手術で治らないほど進行した癌や、手術で切除したが小さな癌が体内に残っている可能性がある場合には、抗癌剤による化学療法を行っています。乳癌は、他の癌と違い、自己触診にて発見できるケースや健診にて発見しやすい癌であるため比較的早期で発見できる癌ですが、中には腋下リンパ節転移や遠隔転移(肺・肝臓・骨)などの患者さんも少なくありません。それぞれの患者さんに一番適したオーダーメイド治療(抗癌剤・分子標的治療薬・ホルモン治療・放射線治療)を提供するため患者さんと相談し、ご納得いただいたうえで治療を行っています。肺癌は、StageⅠやⅡなど手術が出来る患者さんに対しては、外科的治療として肺悪性腫瘍手術を行っています。手術は低侵襲製の胸腔鏡下での手術を主に行っています。StageⅢやⅣの手術の適用がない患者さんには化学療法を行っている方が多く、癌の遺伝子異常を調べて細胞障害性の抗癌剤や分子的標的薬を使用し治療を行っています。肝癌は、来院時すでに進行した癌が多く、たとえ根治したとしても1年間で15%と高い確率で再発してしまうため、再発の患者さんの割合が高くなります。肝癌にならない為にも、C型肝炎やB型肝炎の治療を行う必要があります。
※患者数10症例未満(ー)表示