便秘に関するご相談

便秘とは?

便の回数が1週間に2回以下で排便困難を伴うこと、というのが一応の目安ですが明確な定義はありません。4〜5日間隔の排便でも規則的で苦もなく出ていれば便秘とは言えないかもしれないし、逆に毎日便が出ていても実は腸を塞いでいる大きな便塊の横から少量ずつ漏れてくる重症便秘もよくあります。

【便秘の症状】

乳児ではお腹が張って機嫌が悪くなったり、哺乳が悪くなったりします。排便時に激しく泣いたり、硬い便に血が付くこともあります。2〜3歳になると腹痛や排便時の肛門の痛みを訴えるようになります。これらの苦痛の訴えがなくても、浣腸や下剤など薬を使わなければ便が出ないのも便秘の症状です。

【便秘の原因と悪循環】

便秘の多くは排便をしないことから始まります。排便しないとたまった便で直腸が押し広げられ、便がたまることに鈍感になって便意を感じにくくなります。便は直腸にたまっている間に水分が少なくなって硬くなり、排便をする時に痛いのでさらに便を我慢するようになります。


こうして便秘の悪循環が出来上がります(図)。

このほか、赤ちゃんのうちから薬を使わずには自然な排便がないもの、頻回の嘔吐や成長不良、体重の減少、慢性の痔、便漏れ(便意がないのに便が漏れる)などの重症のものは、先天的な腸の病気やホルモンの病気が原因のことがありますからあまり待たせずに医師に相談しましょう。

【治療の原則】

便がたまって苦しくなっている場合は、浣腸でお腹を楽にしてあげます。その後は飲み薬を一種類から多い場合は三種類ほど使いながら、毎日朝食後(食後10〜15分後には食事の刺激で便が出やすくなります)にトイレに坐る習慣をつけることが大事です。朝食後の排便習慣は学校で便を我慢する必要がなく便利ですが、生活習慣によっては夕食後の排便習慣でもかまいません。便が出なくても5〜10分間便座に坐るようにしましょう(それ以上坐るのは苦痛になるのでやめましょう)。しっかり治るまで半年くらいかかることもザラですから根気よくつづけましょう。薬が不要になるまで3年以上かかる子もいます。肛門が切れやすい子には塗り薬も使います。

【日常生活で気をつける事】

繊維質と水分の多い食事をとり、運動不足にならないよう心掛けましょう。排便は習慣づけが大事なので、毎日決まった時間にトイレに座る習慣をつけましょう。

【初回の診察】

紹介状をご準備の上、電話で初回の診察(初診)をご予約ください。母子手帳もご持参ください。便秘には食事や運動、生活習慣が大きく関わっていますから、必ず子どもさんと同居の、子どもさんの育児に一番よく関わっている方(一般的にはお母さんかお父さん)が一緒に見えてください。

外来のご案内

便秘の治療は一般外来の診療枠で診察しますので、電話予約をしていただければ月曜から金曜まで診療可能です。
※完全予約制です。
※初診は新患受付時間(午前中)のご予約になります.