起立性調節障害

起立性調節障害とは

起立性調節障害(OD)は自律神経機能の異常を原因として思春期に発症し、中学生の1~2割がODといわれるほどありふれた病気です。症状は「頭痛」「めまい」「疲れやすい」「朝起きられない」といったもので、多くの場合いくつもの症状が組み合わさっています。年齢(10代前半)や遺伝(親の体質と似る)が関係していて、さらに睡眠不足、栄養不足、体の疲れ、心理的ストレスなどが引き金になりODを発症します。ここは一人一人で違うため、よく調べることが大切です。病歴の聞き取りや検査、説明には時間がかかることから、当科では初診時に診断と教育を目的とした1泊2日の入院を行っています。

受診する前に

受診する前に、ひとつだけ皆さんにお伝えしたいことがあります。睡眠不足が原因で体調が悪いお子さんは、たとえ診断基準を満たしてもODとはいいません。睡眠不足の状態ではODの正しい診断はできませんので、以下に当てはまるお子さんは、まずは生活を見直し、睡眠不足を解消してください。

寝る時間1日の睡眠時間
小学校高学年22時より遅い8時間30分より短い
中学1年~2年22時30分より遅い8時間より短い
中学3年23時より遅い7時間30分より短い

治療にあたって

治療を始めるにあたっては、自分の体に今何が起きているのかを知ること、そして人間の体についての正しい知識を持つことがとても大切です。○○さえすれば治る」「○○しか効かない」などの言葉にだまされてはいけません。また、「やる気がない」「なまけている」などと言う人もいますが、このような無理解な言葉に耳を傾ける必要もありません。ODの治療には、正しい医学知識に基づいて、自分の課題と向き合いながら、改善に向けて毎日根気づよく取り組んでいく姿勢が必要不可欠です。