臨床検査技術部
当部門は、「中央分析室」「病理・細胞診室」「微生物室」「生理・超音波室」の4部門から構成されており、一日も早い患者さんの社会復帰を実現するために、一丸となって業務に当たっています。
当院、臨床検査技術部は臨床検査の国際規格である ISO 15189:2012 「臨床検査室―品質と能力に関する要求事項」を、長崎県で第1番目(全国65番目)に取得した認定検査室です。
当院、臨床検査技術部で測定された検査データは、国際的にも通用するものです。
加えて、日本臨床衛生検査技師と日本臨床検査標準協議会が定める、精度保証施設認証制度における認証施設です。精度保証施設認証とは当院が提供する臨床検査値が標準化され、且つ精度が保証されていることを認証するものです。
臨床検査技師
臨床検査技術部では以下の認定資格を有した臨床検査技師が、それぞれの検査室で質の高い臨床検査情報を提供しています。
細胞検査士 | 5名 |
超音波検査士 | 4名(実人数) (消化器4名、循環器2名、体表臓器1名、健診1名) |
血管診療技師 | 1名 |
認定輸血検査技師 | 2名 |
認定心電検査技師 | 1名 |
認定病理検査技師 | 1名 |
認定一般検査技師 | 1名 |
認定救急検査技師 | 3名 |
認定臨床化学・ 免疫化学精度保証管理検査技師 | 1名 |
認定認知症領域検査技師 | 2名 |
糖尿病療養指導士 | 2名 |
二級臨床検査士 | 6名(病理学2名,微生物学1名,免疫血清学1名) |
心臓リハビリテーション指導士 | 1名 |
研修会・学会への参加
県内外の研修会・学会等へ積極的に参加し、最新の技術・知識の習得に取り組んでいます。
研究・学会発表
日常業務に加え、研究活動・学会発表へも積極的に取組んでいます。
中央分析室
血液・尿などの検体検査を行う部門で、現在10名程度の技師が業務に従事しています。
検体検査
血液・尿・便などを対象にした検査のことで、患者さんの検体を用いて生化学検査、血清免疫検査、血液・一般検査などを行っています。検査の依頼・採取・測定・結果報告はコンピューターで一元管理しています。
採血
救急部を除く、外来診療部の患者さんの採血を行っています。採血コーナーには、患者さん向けポスター、臓器別パンフレット、情報誌、検査基準値表などを備えており、採血の待ち時間などにご活用いただければ幸いです。
輸血
安全な輸血に必要な検査と血液製剤の管理・供給を行っています。
チーム医療
療養指導
「糖尿病教育入院」ではSMBG(自己血糖測定、血糖自己モニタリング)の指導や糖尿病の検査についての説明を、「リウマチ教育入院」ではリウマチの検査について医療チームと連携を取りながら説明を行っています。
検査相談室
検査に関して、日頃から抱いている疑問・お悩みに対応するために設置しました。患者さんと主治医が、円滑にコミュニケーションを保てるよう、また、医療を信頼し質の高い医療を受けていただけるようサポートさせていただきたいと思っています。
※ご相談の際は、採血コーナーの職員へお申し出ください。
病理・細胞診室
組織診断
1.生検組織の診断
病変の一部より採取した数ミリ大の組織から標本を作製し、悪性腫瘍の有無や炎症の程度などを調べます。
2.摘出臓器、組織の診断
手術で摘出された臓器から診断に必要な部分を切り出し、染色・標本の作製を行い、病変の診断や手術で病変が摘出できたか、”がん”の広がりや転移の有無などを調べます。
3.手術中の迅速診断
手術中に採取された組織から10分程度で標本を作製し、病変の診断や手術によって摘出された組織に取り残しがないかなどを調べます。
細胞診断
尿や喀痰などに含まれる細胞や、子宮頚部や気管支などからこすり取った細胞、乳腺・甲状腺などの臓器に細い針を刺して採取した細胞から標本を作製し、悪性細胞の有無を調べます。
病理解剖
不幸にして病死された患者さんのご遺体を解剖させていただき、死因は何か、生前の診断や治療方法は正しかったか、などを判断します。
微生物室
感染症の原因菌の特定のため各種染色・培養、適切な抗菌薬治療に必要な薬剤感受性試験、結核菌を代表とする抗酸菌検査、迅速検査などを行っています
一般細菌検査
1.グラム染色
細菌の形態学的特徴を捉え、病原菌の推定や炎症の程度を把握し、迅速に臨床の現場へ生かします。
2.培養
臨床状況、目的菌に応じた適切な培地選択、発育環境を選択し、感染起因菌を見逃さないように取り組んでいます。
3.同定・薬剤感受性試験
自動分析装置(Microscan WalkAway DxM1040)を用いて、微量液体希釈法による報告とともに、臨床上問題となる各種の“薬剤耐性菌”を推定できます。
抗酸菌検査
再興感染症として再び世界的に問題となっている結核菌。グラム染色と同様にZN染色においても臨床への迅速な対応をモットーにしています。
迅速検査
患者さんが外来診察の間に、すばやく結果を報告します。
◆ A群β溶血レンサ球菌 | ◆ インフルエンザウイルス(A型・B型) |
◆ ロタ・アデノウイルス | ◆ RSウイルス |
◆ 便CDトキシン | ◆ 尿中肺炎球菌 |
◆ 尿中レジオネラ | ◆ ノロウイルス |
◆ hMPV、マイコプラズマなど |
院内感染対策
当院は県内でもいち早くMRSA対策に取り組み、感染制御部とともに院内感染対策の啓蒙・指導徹底を図っております。
生理・超音波室
心電図、超音波検査、眼底検査等の従来からの検査に加え、ABIなどの最新の装置を導入し、患者さんのニーズに対応した検査を行っています
心臓の機能やそれによって影響を受ける身体各所の情報を検査します。
心電図検査 |
不整脈の有無や種類、心臓の筋肉の働きを調べます。 |
負荷心電図検査 (階段昇降・エルゴ・トレッド) |
運動前後の心電図変化や、安静時には異常がない潜在性の循環障害を発見することができます。 |
加算平均心電図 |
心電図波形のたし算と平均を交互に繰り返して通常の心電図では記録できない、とても小さな信号を記録する検査です。 |
心肺運動負荷試験(CPX) |
心臓だけでなく肺や運動に使われる筋肉の状態等を総合的にみて運動耐容能(体力)を評価する検査です。 |
ホルター心電図検査 |
24時間心電図を記録し、不整脈、薬の効果、自覚症状などを調べます。 |
R-R間隔 |
自律神経の働きを調べます。 |
ABI(血圧・脈波検査) |
動脈の硬さや狭窄・閉塞の早期発見・診断など、動脈硬化の総合評価を行う検査です。 |
皮膚組織灌流圧(SPP) |
末梢血管領域で下肢虚血の重症度を評価する検査です。 |
超音波をあて、対象の臓器の病変を検出します。
腹部超音波検査 |
肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓など |
乳腺超音波検査 |
乳腺 |
頚部超音波検査 |
甲状腺、頚部周囲 |
頚動脈超音波検査 |
頚部動脈の血管の状態や血液の流れ |
下肢動静脈超音波検査 |
足の静脈の血液の流れや血栓の有無 |
心臓超音波検査 |
心臓・弁の働き・大きさ・機能・血液の流れ |
肺から出入りする空気の量などを測定して、肺の働きを調べる検査です。
肺活量 |
肺の大きさと、気管支の状態を調べます。 |
残気量 |
息を全部吐き出したときの肺の大きさを調べます。 |
肺から酸素がどれだけ効率よく血液中に取り込まれているかを調べます。
脳と脊髄を合わせた中枢神経と、脊髄から腕や脚に出ている末梢神経の働きを見る検査です。
脳波検査 |
脳が働いているときの電気活動から、脳の神経の働きを調べます。 |
筋電図・末梢神経伝導速度 |
筋肉の障害の程度や種類と末梢神経障害の有無を調べます。 |
聴性脳幹誘発反応 |
音刺激によって脳幹の働きを調べます。 |
体性感覚誘発反応 |
知覚神経に電気刺激を与えて、その働きを末梢から中枢まで評価します。 |