介護負担を減らす福祉用具の導入

ケア技術向上委員会では、介護者の身体的負担を減らす事を目的に、介護技術面の向上はもちろん、身体的負担軽減に有効な福祉用具の調査・導入も行なっています。これまで法人内の各病院・施設の特色に応じて様々な福祉用具の導入を行なってきました。ここでは、5つの目的に応じて導入した福祉用具の紹介を行なっています。
施設・事業所によって、導入している福祉用具・福祉機器は異なります。
①ベッド上で横方向・上方向へ移動するための福祉用具

ベッド上で体にかかる圧を取り除く際に使用する手袋状の形をした福祉用具
手につけ、ベッドと体の間に滑り込ませて、圧を取り除く為、滑りのよい素材で作ってあります。

ベッド上で体の体位変換・移動がわずかな力で楽にできる福祉用具
シート自体が滑りのよい素材でできているので、ベッドと体の間に敷き込む事で、上下や左右への移動や体位変換などが負担なく行うことができます。

シートの上をスライドさせて、抱き上げずに、ベッドの上からストレッチャーなどに横へ移乗する際にサポートする福祉用具
マットの周りに滑りのよい素材のシートが巻き付けてあり、三つ折りに折りたたむ事ができます。
シート自体が滑りのよい素材でできているので、ベッドと体の間に敷き込む事で、上下や左右への移動や体位変換などが負担なく行うことができます。
②立ち上がりのための福祉用具・福祉機器

ベッドから立ち上がりや、短い距離の歩行をする際に手すりとしてサポートする福祉用具
床に置いて、ベッドから立つ・座るの動作をサポートします。短い距離の歩行のサポートも可能です。

手すりを天井から床へ突っ張らせて固定し、ベッドからの立ち上がりなどをサポートする福祉用具
工具不要で設置することができ、手すりを天井から床へ突っ張らせて固定し、ベッドから立つ・座るをサポートします。

立ち上がりが可能で、移乗動作の足の踏み替えが難しい方の、方向転換をサポートする福祉用具
介助される方が円盤の上に立っていただき、介助する方が円盤を足で回す事で、スムーズに方向転換を行うことができます。

ベッドに座る事が可能で、立ち上がりが難しい方を、ベッドから車いす等へ移乗する際に、移乗先との橋渡しとして使用する福祉用具
介助される方のお尻の下にボードを敷いて、その上を滑られて移乗させる事ができます。

全介助の方のベッドから車いす等への移乗が、楽に行う事ができる福祉機器
介助される方の体の下に吊り上げる為のスリングを敷き込み、ベルトをフックにかけ、最適な高さまでリモコンで操作する事で、安定して吊り上げる事ができます。また、コンパクトで軽量なので、移乗させたい場所までスムーズに、楽に移動する事ができます。

座る事は可能で、立ち上がりが難しい方の立ち上がりや移乗動作を支援する福祉機器
キャスターがついているので、移動させたい場所まで楽に動かす事ができます。ロボットのアームを患者さんの両脇で挟み、リモコンのスイッチを押すだけで、立ち上がりの姿勢にする事ができるので、介助する方の負担軽減に繋がります。
③ティルトリクライニング車いす

頭〜首〜背中の角度調整が可能で、お尻が前にずれにくく、安定して楽に座る事ができる車いす
介助される方の姿勢に合わせた角度調整や腰から足にかけての角度調整も可能な為、体に負担がかからず、楽に座る事ができます。肘かけを上にあげる事やフットサポートを取り外す事もできます。
④排泄福祉用具

便座にセットした特殊フィルムで排泄物を自動でラップする排泄福祉用具
排泄物を自動でラップするため、排泄物の後片付けなどが不要になり負担の軽減につながります。
⑤その他の福祉用具

ベッドに横になっている際の身体の緊張を軽減させる福祉用具
寝ている姿勢でマットと身体にかかる圧を、適切な固さのクッションを間に入れる事で体圧分散が行え、緊張が軽減しリラックスした姿勢をとる事ができます。(ポジショニング)
ポジショニングを行う事でリラックスした快適な姿勢を作る事ができ、呼吸がしやすくなったり、床ずれの防止に繋がります。

車いすを快適に座ることができる福祉用具
【ジェルタイプ】
クッションの素材がジェルタイプの車いす用クッションです。最も衝撃や圧力がかかる坐骨部分にジェルが使用してあるので、縦方向の圧力だけでなく横方向のずれる力を分散させます。ジェル独特の弾力性・柔軟性があるので、お尻への負担を軽減させ快適に座ることができます。

車いすを快適に座ることができる福祉用具
【ウレタンタイプ】
クッションの素材がウレタンタイプの車いす用クッションです。車いすの座面に置いて、臀部を優しく受け止めて体圧分散をする事で長時間でも快適に座ることができます。安定した姿勢を保つことも可能となります。