以前にお話ししたかもしれませんが、当法人では理事長と若い職員がひざ突き合わせて意見し合う機会を作ろうと、K-T塾(君と富永の塾)を昨年から始め一年に4回の懇談会(時には鍋をつつきますが)を行い今年で2年目になりました。一年を締めくくって塾生との懇談に当たって職員にも聞いてもらえるように、1回目と4回目は講演会の形式をとっています。4回目のテーマは「日本人として親として考えてほしいこと」と題して話題提供をしています。その中で「歴史に学ぶ必要性」を必ず話します。その理由を半藤一利氏が、「次世代へ伝えたいこと」のなかでこう話してくれています。 歴史というのは要するに、年表とかを覚えることではない。歴史というものは人間が作るものですから、つまり、人間を知るため、人間をよくわかるためには歴史が一番いい。歴史をやるということは人間学だ。歴史学ではなく人間学だと思って見れば、人間というものはいかに、こういう危機のときに周章狼狽して判断を間違うか、自分の命が惜しいばかりに、いかに卑劣なことをするか、そういうことが歴史にはたくさん事例があるわけです。それを知るということは、ものすごく日本の将来のためにいいことだと思うのです。とくに昭和史を学ぶことは、いまの日本人をいっそうよく知ることになります。(半藤一利氏)