在宅医養成の試み(その10)

3月下旬、日本医師会主催で北関東の在宅医療のパイオニアとしてこのブログに登場していただいた先生方による「在宅医療支援のための研修会」に参加しました。その先生によると、在宅医として患者さんのお宅におじゃまするときには、大切な心得があるとのことでした。チャイムをせかすように鳴らすことは患者さんや家族がすぐに出られない状況にあることもあり好ましくない。他人に見られたくない部屋もあることを忘れてはいけないし、居室では病院と違って低い位置の姿勢でいることが肝要であると講演されました。診察や検査の進め方など知識はあっても実際に、在宅の場にうまく入り込み、手際よく診療が進められるかがポイントです。
私がお目にかかった北関東の先生に、初対面なのに厚かましくも在宅医療を志す若手の先生がたに在宅医の心得と手際を学ぶために短期間の国内留学をお願いしておりました。在宅医療の担い手を増やしたいとお考えの先生で快諾していただき、わたし共の法人から一人につき3か月程度の国内留学を受け入れていただくこととなりました。そこで行われている多職種協働はまさに“目から鱗”、座学では学べない貴重な経験をされることと思います。私も在宅医療の意義を理解するには在宅医養成コースの2年間の前半に優れた在宅医療の現場に国内留学することが早道であると考えていました。まずは、在宅医療が患者さんご本人にとって、家族にとって、かけがえのない大切なものであることを理解し、それを自らリードするためにどうスタッフを動かせばよいのか、これを体感すればあとの21か月はより有意義になると考えたのです。
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