在宅医養成の試み(その1)

 日本医師会が中医協委員からその代表が締め出されたとの報道は記憶に新しいところです。診療所の収入を左右する再診料の設定はもちろんのことですが、救急病院のコンビニ受診が問題とされ病院崩壊が叫ばれる現在、診療所の機能の在り方論が論点となってくるのではないかと思います。
 かかりつけの患者さんの一次救急や医療相談をせめて午後9時くらいまでは診療所に求める声が高まっています。そのような中、診療時間が9時-6時でその他の時間の連絡の取れないビルクリニックの評価が下げられ、夜間連絡が可能な診療所や訪問診療をしてくれる在宅医の評価が高くなるのは致し方ないことかも知れません。
 都市部にはもはや開業する適地は見当たりません。無理に開業しても、過当競争の中で採算ベースに合う集患能力があるかどうか不安で開業を見合わせている先生を多くみます。
自分の得意な分野での開業のはずなのに、ライバルの数が多すぎる、今のペースで開業が増えれば共倒れする可能性もある、専門領域に特化したいが果たしてどれくらい来てくれるかわからない、専門領域にしても10年20年というスパンでスキルアップするにはどうしたらいいのか、といった不安からのことと思います。
 しかし、最近、訪問診療が高い報酬で評価されるようになり、午後の時間を訪問診療に当てることによって当初の集患能力の不足を補い、開業に踏み切る先生も少なくありません。

動画をUPしました。是非一度ご覧ください。

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