サッカー・ワールドカップ南アフリカ大会と並んで、小惑星イトカワに着陸した探査機「はやぶさ」の快挙は梅雨空の日本にさわやかな感動を与えました。苦難に満ちた往復40億キロを乗り越え、動いているのが奇跡的なほどの満身創痍で、予定を3年も遅れて7年ぶりで地球に帰ってきた「はやぶさ」に航空ファンだけではなく多くの国民から賞賛の声が上がりました。オーストラリアの砂漠にわが身と引き換えにわずか数10センチの回収カプセルを落とすために、最期の力を振り絞って大気圏に突入し流れ星となって消えた「はやぶさ」。ネットには「よく頑張った」、「機械ながら健気な頑張りだ」「たとえ砂が入っていなくても金メダルだ」と共感の声が寄せられました。同時に、惑星探査に関して技術立国日本を証明して見せたのです。政権党のある国会議員が「事業仕わけ」で、日本の科学技術に対し「2位ではだめなのですか」と真顔で質した無知・無感覚な声が耳から離れません。こんな政治家がいるから、技術立国日本が王道を最近踏み外しているのではないかと心配になります。
ともあれ「はやぶさ」の快挙に、回収カプセルを見ようと酷暑の夏休みに長蛇の列ができ、NHKでは特集番組が放映されました。「はやぶさ」の2号機も予算計上され、国民の期待も高まっています。やれるじゃないか日本の思いは私一人ではないと思います。