最近の日本、何かおかしくないですか?(その8 アタッチメント)

では、子供の教育過程の中でどのような誤りがあったのでしょう。日常あまり気にもとめていないことですが、実に多くの誤解や問題点があるのです。わたくしが調べ得た範囲でご紹介をしてみたいと思います。
先日紹介致しました田下先生は小学生暴力をアタッチメントの観点からとらえておられます。要約してご紹介します。
鳥類以上のすべての動物の仔は自分に危機が迫ったとき、誰が守ってくれるのか、誰の元へ逃げていけばいいのかを分っている。親もどの個体を保護するのかを識別している。保護し保護される相手が確定すると、仔に本能として内在している愛着行動のシステムを起動する。その概念をアタッチメントという。カルガモのひなが母ガモの後を追うのがそれである。この過程は基本的には人間も動物と同じである。2歳半から3歳でその基礎が形成されるが、人間ではアタッチメントは生涯にわたって存在し、その対象も両親から友人、教師、異性へと広がっていく。アタッチメントは人を信じることや、愛する事の基調となる。親の都合によってすぐ変わる、本気でない養育姿勢はアタッチメント形成不全を発生させる。結果、子供は誰が自分を保護してくれる人なのか判定に確信が持てず、人間関係は浅薄で、その場限りになりやすい。必要なアタッチメントが形成されないと、その相手は子供の攻撃対象となる。小学生暴力の根源はここにある。」 と書いて親の都合によってすぐに変わる、本気でない養育姿勢を小学生暴力の根源と強調されておられます。