最近の日本、何かおかしくないですか?(その13)

就職氷河期の若者が次に訴えるのは、とても支えきれない高齢者の社会保障です。これからが本番の超高齢化社会、高齢者は間もなく3000万人を超えます。そして、2012年以降、団塊世代が高齢者の仲間入りし年金支給が始まります。現在の出生数の3倍近くの約270万人を支える年金・医療・介護の各保険料は若者のお給料から容赦なく差し引かれます。高齢者は本当に弱者なのか。ストーリーは展開します。若者にはほとんどない金融資産はたっぷりある高齢者。掛け金よりはるかに多い年金支給額。医療費の大半を使いながら、現役世代の3割負担ではなく1割の負担で、外来を埋め尽くす高齢者。本当は弱者ではなく、モンスター・シルバーではないかと訴えています。そして本当の弱者であり、高齢者の奴隷であるのは若者世代ではないかというのです。老後に不安のある高齢者は社会保障費の動向に敏感です。それを充実させようとする政党を高い投票率で応援し、“弱者”である高齢者の応分の負担を求める政策は実現できないよう監視します(事実、政権交代前はあれほど後期高齢者医療制度を批判し、直ちに廃止を約束した現政権は、代替案の70~74歳の窓口負担が高くなる法案を提出したら4月の統一地方選挙は戦えないと、後期高齢者医療制度の廃止を1年延期しました。なんという節操のない政党でしょう)。

最近の日本、何かおかしくないですか?(その12)

マンガ「若者奴隷時代」(山野車輪著、普遊舎MOOK)が若者に一定の支持を得ているとの新聞記事を見て、私も読んでみました。著者は団塊2世代の1971年生まれ。嫌韓流現象を巻き起こし、多くの人々に韓国の本当の姿について興味を持たせることに成功した方ですが、この「若者奴隷時代」は若者が日本の高齢者に対して嫌悪感を持ち始めているというショッキングな筋書きです。内容をかいつまんで紹介します。
 日本はバブル崩壊後、経済低迷が続き新興国との価格競争に勝ちたいと海外に工場を移転します。海外で働く(雇用が守られる)日本人は管理職などごく少数で、国内の職が減少するため就職率は低下し、雇用は悪化の一方。ストーリーの中では50万円で内定が取り消され、困った学生はわざと留年して翌年の就職活動にかけるそうです。日本の企業はなぜか新卒採用にこだわるからです。この就職氷河期、大学生は今年も現在50%台後半の就職率です。この一回きりの就職のチャンスを逃すと非正規雇用となりやすく、もし企業の業績が悪いと、生産調整により派遣切りとなり年収200万円以下のワーキング・プアとなる確率が高まります。生活保護水準以下の賃金でも働かざるを得ないことも多いと訴えています。非正規雇用は無年金・医療保険もなく、雇用を切られると寮を追い出され、インターネット・カフェ難民とならざるを得ません。バブル時代だけでなく大量定年を見越して求人が多かった時代もついこの間だったのに、生まれてくる時代が少し違っただけでこのような目に遭うこの時代はおかしくないですか、と訴えているのです。