マンガ「若者奴隷時代」(山野車輪著、普遊舎MOOK)が若者に一定の支持を得ているとの新聞記事を見て、私も読んでみました。著者は団塊2世代の1971年生まれ。嫌韓流現象を巻き起こし、多くの人々に韓国の本当の姿について興味を持たせることに成功した方ですが、この「若者奴隷時代」は若者が日本の高齢者に対して嫌悪感を持ち始めているというショッキングな筋書きです。内容をかいつまんで紹介します。
日本はバブル崩壊後、経済低迷が続き新興国との価格競争に勝ちたいと海外に工場を移転します。海外で働く(雇用が守られる)日本人は管理職などごく少数で、国内の職が減少するため就職率は低下し、雇用は悪化の一方。ストーリーの中では50万円で内定が取り消され、困った学生はわざと留年して翌年の就職活動にかけるそうです。日本の企業はなぜか新卒採用にこだわるからです。この就職氷河期、大学生は今年も現在50%台後半の就職率です。この一回きりの就職のチャンスを逃すと非正規雇用となりやすく、もし企業の業績が悪いと、生産調整により派遣切りとなり年収200万円以下のワーキング・プアとなる確率が高まります。生活保護水準以下の賃金でも働かざるを得ないことも多いと訴えています。非正規雇用は無年金・医療保険もなく、雇用を切られると寮を追い出され、インターネット・カフェ難民とならざるを得ません。バブル時代だけでなく大量定年を見越して求人が多かった時代もついこの間だったのに、生まれてくる時代が少し違っただけでこのような目に遭うこの時代はおかしくないですか、と訴えているのです。