ストーリーの後半部分では、誰も責任を取らない孫子の世代への付け回しを批判しています。国・地方を合わせて2011年度末で891兆円の長期債務残高、これは対GDP比184%と先進国では最悪の数字だそうです。1兆円とは誰かが毎日100万円を使い続けて250年それを続けても届かないすごい額です。約900兆円といえばただ事ではありません。昭和40年、東京オリンピック景気の直後の不況でつい2590億円の赤字国債発行を決めてからわずか45年間に、積もり積もった次世代へのつけ回しが約900兆円です。“今の豊かさ”のために孫子の世代への付け回しを、若い世代は拒否しようとしています。介護施設では、平均月収19万円の若者が平均年金23~4万円(一般サラリーマン厚生年金)のご老人を介護しているそうです。世代間格差は増大し、若者が高齢者に敬意を払わなくなったと警鐘を鳴らしています。平均月収19万円の若者は女性はともかく男性では結婚もできず、従って子供も生まれません。これは大きな問題ではないかと訴えているのです。
わが国の年金制度は賦課方式という世代間の持ちつ持たれつの制度、この世代間批判をこのままにしていたら、国が成り立たなくなる恐れがあります。消費税を含め小手先ではなく抜本的な改革が出来る政治家、そして大局的観点からその政治家を支える国民という展開をどうやったら我々は迎えることが出来るのでしょうか。