天災それとも人災?その9

日本が復興に向けて「一つになろうニッポン」と努力しているとき、最大の障害になるのが菅首相であると指摘せざるを得ないのは日本の不幸であります。最大の問題は、オールジャパンの態勢を組めないことです。官僚組織を束ね、その能力をフル活用せねばならない最高指揮官であるにもかかわらず、官僚機構への不信感が先立つためか使いこなせていないようです。首相の私的な勉強会といった政治主導組織が増殖し、肥大化していては先行きが危ぶまれます。まさに、人災と呼べるのではないでしょうか。国家は組織で成り立っています。管首相が震災後作ったのは図ばかり、知り合いの教授や友人に命令を下しても権限がない人に何も動かせません。対応は後手後手に回るばかりでした。国家という組織を持ちながら、官僚という素晴らしい頭脳集団を持ちながら使いこなすことができない、そんな首相を選んだのは残念ながらわれわれ国民なのです。大連立を提案する政府民主党に対し、中曽根康弘元首相は讀賣新聞に寄せた「新しい東北 世界へ示せ」というコラムの中で、大連立は政府・与党がどの程度真剣に心情を野党に吐露し、国家国民のために己をむなしくして協力を求めるかにかかっている。政権維持のためといった考えはかりそめにも持ってはならないと述べています。