日本が、今、岐路に立たされています。何かがおかしい。ベストセラー「国家の品格」をお書きになった藤原正彦先生が、文芸春秋7月号に書いておられる「日本国民に告ぐ」から抜粋させていただきます。
・経済ではバブル崩壊後20年近くになるが、この間行われた様々な改革がどれもうまくいかない。デフレ不況を脱せず、財政赤字は世界一となり、なお増大している。失業率は増え続け、世界トップクラスの自殺大国となっている。
・政治を正すためには良い政治家が必要となるが、大量の小泉チルドレンに続いて、さらに大量の小沢チルドレンと選挙の半年前までは国政など考えたこともないような素人が登場し、質は低下するばかり、今後どんな政界再編があろうと、質の劣化した政治家たちの区分けが変わるだけのことであり、質の向上にはつながらない。濁った水はどう分けても濁ったままである。
・深刻なのはモラルの低下である。子殺し親殺し、「誰でもよかったが殺したかった」という無差別殺人など、かつてはありえなかった犯罪が頻りに報道されるようになった。子供たちのモラルも一斉に崩れ、学級崩壊、陰湿ないじめによる子供の自殺が普通になった。数世紀にわたって恐らく世界一だった子供たちの学力は、十年ほど前に首位を滑り落ち、その後も落ち続けている。不満が少しでもあれば大げさに騒ぎ立て訴訟にまで持ち込む人々が多くなった。人権をはじめとしてやたらと権利を振りかざす人間が多くなった。かつてこういう人間は「さもしい」と言われたものだが。
まさにいいえて妙。何を間違えてこのような日本になってしまったのか。このブログで私は前々回まで医療の様々な側面について書いて参りました。医療・介護を含む社会保障費を確保するためには、その国の政治、経済は勿論のこと、国民の意識・判断に負うところが大きいと思います。医療に絡むことも、無関係なことも「何かおかしくない?」と思われることを思いつくままに挙げてみます。一緒に考えてみませんか。お付き合いください。