平成17年9月に栄養看護外来はスタート致しました。当初はHbA1cって何?と真顔で質問する患者さんも多く見られましたが、患者さんそれぞれに少なくとも一日15分実施する療養指導を始めて以下のような結果となりました。先生方の情熱を傾けた診察が徒労に終わらないように、スタッフ全員で頑張った結果です。
(1)栄養看護外来前後のHbA1c値
平成17年3月(開始前) 7.06%
平成18年8月(開始後11月) 6.90%
平成20年10月(開始後約3年) 6.61%
(2)血糖コントロール区分の推移
栄養看護外来開始後から血糖コントロールの「優」「良」区分の患者割合が増加、「不良」「不可」が低下
(3)糖尿病性壊疸の発症推移
平成14-17年(開始前3年間) 7例 平成18-20年(開始後3年間) 0例と糖尿病が原因で下肢を切断する患者さんはいなくなりました
(4)糖尿病性腎症による透析導入患者数の推移
平成19年まで透析移行患者数は20名/年前後からなかなか減少しませんでしたが、平成20年は9名と大幅に減少がみられています。
(5)栄養看護外来開設後の医師の意見
①診察室で多くを語らなくても済むようになった。以前は1人5分~10分を要する診察時間が5分前後になった。医師自らが診察を終了させようと焦ることがなくなった。
②生活習慣などの説明負担が減り、疾患などの説明に時間をかけることができるようになった。
③医師に言えないことを看護師らには話せている。患者の気持ちの負担は軽減されている。
(6)栄養看護外来開設後の患者の意見
①診察の前に栄養士・看護師と話せる時間が取れるようになり、今の自分の気持ちを気軽に伝えることができる。
②食事・運動の振り返りを一緒にしてくれるので、心強く協力者がいるという気持ちになれる。だから頑張れる。(以下次号)