当法人理事長富永雅也のブログが長崎新聞増刊号にコラム掲載となりました。ぜひご覧ください。
病気を進行させない医療②
高齢者の急増、支え手世代の減少、国家の財政難の三重苦の時代に、われわれ市民がとるべき道はどういうものでしょうか。社会医療法人財団白十字会では、病気の悪化を予防する取り組みを行っています。
生涯付き合う慢性病の代表である糖尿病を例に挙げますと、敵である糖尿病という病気を理解することは患者さんの義務であると考えます。そのために、白十字会グループの一つである佐世保中央病院の糖尿病センターでは、看護師や栄養士、検査技師などからなる糖尿病療養指導士が「コーチング」という手法を用いて徹底的に糖尿病と戦う方法を指導しています。
(病気の正しい知識や自己管理方法などを身につけていくお手伝いをします。)
すなわち、闘病の主人公は患者さんであり、「先生にお任せ」では健康は保てないと考えるからです。
肺炎は高齢者に多い病気の代表選手ですが、口腔(こうくう)内の菌の塊を気管に詰まらせてしまう誤嚥(ごえん)性肺炎は口腔ケアによって予防・軽症化できることが分かってきました。
佐世保市は、病院や介護施設から自宅に戻られた高齢者で歯科医院に通えない方のために、歯科医もしくは歯科衛生士が患者さん宅を訪問し、ケアを行うトライアルを行う予定です。口の中が健康になると、咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)機能も向上し、栄養学的にも良好な改善をもたらすものと期待されます。
(食べられる口をつくるプロジェクトは、入院・入所中から在宅生活に至るまで、噛む力が落ちるのを防ぎ、誤嚥性肺炎等を予防する取組みです。)
白十字会で実施している「病気を悪化させない」医療の2つの取り組みをご紹介します。
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